石川直子です。
講師を務めている稲城のママグループの勉強会が3年目を迎えました。嬉しいことに、今年度よりメンバーが倍に増えるとのこと。幼児を伴っての月1回のスローな活動ですが、とにかく『継続は力なり』。世話役を務める研究会の仲間とともに、また1年頑張ってまいります。
4月27日の定例会では、日銀の量的緩和について取り上げられましたが、その根底にあるのは「一方的に依存している状態からの脱却を迫られる家計」という問題。いち早くそのことに気づき、対策を立て、行動を始めなければなりません。そのためにはやはり『教育』をどう考えるかということが、今回もいろいろと議論されました。
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『ニュースの目(24)』-日本経済新聞3月18日~4月24日朝・夕刊より抜粋-
◆日銀の『量的緩和』に対する専門家の評価
1)イントロダクション
●株式の個人と海外勢の売買シェア(2007~13年)
・日本株のプレーヤーの中心は海外投資家
・海外投資家と個人投資家の売買シェアは逆相関にある
●投資部門別売買代金差額(4月第3週)
・海外投資家は売り
・国内生損保、銀行も売り
2)黒田体制下の日本銀行は政策を大転換(4/4夕刊)
a)決定会合のポイント
【量的・質的緩和導入】
・物価2%上昇を「2年程度の期間を年頭に置いて、できるだけ早期に実現」
・マネタリーベースおよび長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍に
・「量・質共に次元の違う金融緩和」を実施
【マネタリーベースを調整】
・金融市場調節の操作目標をマネタリーベースに変更。年60~70兆円で増えるよう市場調節
【資産の買い入れ拡大】
・長期国債の保有残高を年間50兆円のペースで増加させる
・長期国債の買い入れ対象を40年債を含む全ゾーン。買い入れの平均残存期間を3年弱から7年程度に。
・不動産投資信託(REIT)、上場投資信託(ETF)などリスク資産を買い増し
【基金の統合】
・「資産買い入れ基金」を廃止
【銀行ルール一時停止】
・長期国債買い入れは「財政ファイナンスではない」
・政府の財政規律の確保を踏まえ銀行券ルールを一時停止
【市場と対話】
・市場参加者との間で金融市場調節や取引全般に関し、密接に意見交換
b)物価上昇率の目標
13年度平均 0%台
14年度平均 1.5%程度 ⇒ 脱デフレから経済成長へ
15年春 2%
3)専門家の評価のいろいろ
a)『壮大な実験の行く末』ウォール街ラウンドアップ(4/5夕刊)
・日銀は金利コントロール能力を失い、「財政ファイナンス」ととられかねず、
国債価格の急落(長期金利の急上昇)を招くリスクは否定できない。
b)『薄気味悪い心地よさ』一目均衡(4/2)
・日銀はタブーだった有価証券の広範、大量の購入に踏み込んで市場のプレーヤー化しているが、
出口で予想される混乱は制御可能なのか?
c)『日銀異次元緩和に賛否』(4/6夕刊)
・ジョージ・ソロス氏「日本は緩やかに死に向かっていたが、今や目が覚めた」
・FRB副議長「日本にとって最善の策」
d)G20閉幕:『日銀緩和「脱デフレ目的」』(4/20夕刊)
・財政健全化 日本に注文(経済財政諮問会議 6月に報告書)
<G20共同声明の骨子>
*通貨の競争的切り下げを回避し、競争力のために為替レートを目的にしない
*長期間の金融緩和から生じる負の副作用に留意
*日本の最近の政策措置はデフレを止め、内需を支える意図
*日本は信頼に足る中期財政計画を策定すべきだ
*先進国は新しい中期的な財政戦略を9月の首脳会議までに策定
<参考①>
4/26(夕)十字路『成長戦略と超緩和策の矛盾』
・人口問題からの制約を考えると、最も重要なのは、労働生産性の引き上げ
・利潤率の低下→投資の不振、これをもたらしてきたのが金利の低下。ゾンビ企業が淘汰されず
デフレが加速。
・成長分野はあくまでも市場が見つけていくべきものだ。
4/25大機小機『「異次元の規制緩和」の番だ』
・民間が稼げる場を広げる政策が大事。その肝は、民の活動領域を官が線引きする規制の見直し。
4/13米「緩和後の日本、注視」
・議会に提出した為替報告書に「競争的な通貨切り下げを慎むよう引き続き迫っていく」と明記
(FRBの評価と食い違い)。
<参考②>
4/11(夕)『IT競争力 日本後退21位』フィンランド首位、シンガポール2位、台湾10位
4/12『金型メーカー「日本 優位失う」過半数』新興国との格差縮まる
4/17『論文引用回数ランキング 日本の研究力 下落鮮明』東大、17位に後退
4/26『中教審答申 教育、質の向上へ30項目』国際的な学力調査でトップレベルを目指す 等
4)トピックス
①TPPまとめ
②『国際金融』ABC
③二つの『民主主義』 K.Okuda
・『民主主義』には二つのタイプがある。
➊議会、政党、官僚制などと調和しつつ政治を行う『間接的・抑制的』な民主主義
➋国民の意思をストレートに政治に反映させる『直接民主主義』
・➊は過激さを避けるため『非民主主義的要素』を取り込むもの。➋は『ポピュリズム』に
陥ってしまう可能性が高く、うまくいくのは『民意』が正しい場合である。
(注)人間には『リードする人間(エリート)』と『リードされる人間(大衆)』がいること
は避けられない。その人口割合は各国バラバラだが、わが国の場合は・・・?
以上