5月定例会のまとめ/ニュースの目(14)
石川直子です。
「数式は万国共通の言語である」
勉強を始めたばかりのころ、経済学に多用される数式にブーブー云う私たちに、先生がこう云われました。経済学も社会学も哲学も、この世のすべての学問は「われわれ人間とは一体なんなのだ」ということをさまざまな視点で脈々と考え続けてきた歴史である。数式はそれをできるだけわかりやすく伝えるために作り出された言葉なのだ、と。
先人たちが知りたい一心で書き残してくれたテキストをもとに勉強できる現代の私たちはとても幸せです。学ぶ自由があり、学ばない自由もある。次から次へとわからないことが出てくると、一体何のために勉強するのかと壁にぶつかる時もありますが、結局のところ「知りたいから」という答えしか出てきません。そして、わかると楽しい。この繰り返しが私にとっての学問の意味だなあ、と思う今日この頃です。
今回は、人々の階層意識の低下はなぜなのか、これからの家計にどのような影響を与えるのかを考えました。
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『ニュースの目(14)』─日本経済新聞2012年4月18日~5月17日朝・夕刊より抜粋─
1)低下する人々の『階層意識』(5/14)
a)階層意識
富裕層 0.2% 中の下 40% 貧困層 16%
b)5年前との比較
変わらない 66% 下の階層に 30%
c)格差は拡大しているか
そう思う・どちらかというと 80%強
d)格差是正には
雇用の確保 62% 社会保障充実 32% 減税 31% 円高是正 22%
<参考>
◆内閣府調査 20~30代で『自殺考えた』が4人に1人(5/2)
※「『人生不可解なり』で自殺をするほど、かつては多くの若者が人生に悩み、誰もが一度は自殺を考えたものだが、この数字はあまりに少ないのでは?」とは77歳の先生の弁。
◆賃上げ率1.79%で横ばい、一時金3年ぶり減(4/30)
・一時金は3.76%減 基準内賃金(37.5歳)は30万7,246円
◆30~34歳男性の未婚率46.5%(11/7/2)
・生涯未婚率も男性19.4%、女性9.8%
・単身世帯も1,590万世帯で、全体の3割を超える
◆家計のゆとり低下傾向(5/1)
・エンゲル係数悪化 25~29歳では前年比0.9%上昇の20.8%
・高齢者世帯では60~64歳24.5%、65~69歳25.5%、70歳以上25.8%
◆国民年金納付率、最低に(5/15)
・2010年度は59.3%で過去最低
◆一世帯当たり貯蓄額1,664万円(5/16)
・世帯主が60歳以上の世帯の約1/3では2,500万円以上
・勤労者世帯では1,233万円
・60歳以上の貯蓄が全貯蓄額の64.6%を占める
◆一人当たりGDP、2050年には韓国に抜かれ世界18位に(21世紀政策研究所4/16報告書)
http://www.21ppi.org/archive/global.html
2)トピックス
a)経済教室「転換期の世界に針路」(5/13)
・哲学的思考とエリート民主主義の重要性
b)やさしい経済学 危機
・先人に学ぶ シュンペーター③創造的破壊の烈風(5/17)
以上