読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ミライカケイ

LFP研究会メンバーがライフプランを軸足に綴る研究日誌(旧ブログ→http://lfp.jugem.jp/)

8月の定例会まとめ/ニュースの目(27)アメリカの『出口戦略』にゆらぐ新興国経済

石川直子です。

「一つの記事だけ読んでもわからない。前後の関連記事を合わせて読まないことには、何を云われているのか理解できない」

 猛暑のせいでぼんやりした頭に先生の声が響く中、ぼんやりとしか伝わってこない『出口戦略』と『家計』との関係について、頭を冷やして考えました。

トピックスで取り上げた『人間の合理性』は、経済事象のみならず、例えば仕事や恋愛、親子関係など、私たちの生活の様々なシーンにおいて「あるある」なテーマ。ついつい脱線しつつも、興味深く学びました。

 

                    

 

『ニュースの目(27)』-日本経済新聞7月9日~7月30日朝・夕刊より抜粋-

◆アメリカの『出口戦略』にゆらぐ新興国経済

1)バーナンキ、『QE3』の縮小(出口戦略)に言及(5/22)

  • 6月19日、議会証言で、今後半年間にQE3の縮小をスタート、来年半ばに失業率が7.0%に低下することを前提にQE3を終了する。

  • 7月10日、“予見し得る将来にわたって、米経済には極めて緩和的な金融政策が必要”と発言。

2)世界の『過剰流動性』は急増

  • 2008年にアメリカがかつてない『金融緩和』に乗り出したことから、世界の『過剰流動性』は急増した。⇒米FRBのカストディ・アカウント(海外政府の外貨準備高)の急増に注目」

  <参考>アメリカのディスカウント・レート

     2007年      4.25%

     2008年以降  0 ~0.25%

  • 特に、新興国はドルに対する自国通貨の対ドルレートを維持するため『債券』を発行し、自国通貨売りドル買いを積極的に行なった。

3)バーナンキの発言は、特に新興国からの資金引揚げを引き起こし、金融・経済に大きな影響を及ぼした。

4)7月10日のバーナンキ発言及びG20(7/19,20)以来、混乱は一応落ち着いているが…

5)日本の『出口戦略』は世界一困難か?

  • 日銀の買い入れの中心は『国債』に偏っており、日銀のバランスシートに占める国債の比率は2014年末で7.5%=約35.7兆円(13年末でFed4%強、BOE6%弱)となる。
  • 売りオペによる損失規模は最悪となる公算がある。

6)トピックス

行動経済学にみる人間の『合理性』

1.  経済学と『合理性』

 ◆伝統的経済学

・   人間を『完全に合理的』であるとする(完全合理性=『ホモエコノミクス』を仮定)

 ◆行動経済学

・   人間の「合理性」は限定的で、その「認知能力」には限界がある(=『限定合理性』)のみならず、計算能力にも限界があり、最も高い『効用』を与えてくれる選択肢を探すという『最大化』も成り立たず、これで十分だと『満足のいく選択肢』を探す(=『満足化』)のが精一杯である。

<参考>①伝統的経済学では、a)与えられた『選択肢』の集合を定義 

              b)それぞれの『選択肢』の「発生確率」と

               「効用=結果」を想定

              c)最も「効用」が高い『選択肢』を選択する

②『限定合理性』を一つの学問体系に完成させたのが、アメリカの「万能学者」ハーバート・サイモン(主著は1957年の『合理的選択の行動主義的モデル』)

2.  『限定合理性』の考え方

a)   『選択肢』はあらかじめ定まっており、外から与えられるものではなく、自分で発見するもの。

b)   『選択肢』と『結果』の関係は一義的・固定的ではなく、本人の努力次第では『確率』を高めることができる。

c)    『確率的期待値』が低くても、最善の状態を目指して『夢』を選ぶような人間もいる。

d)   人間は『結果』にのみ生きるものではなく、『過程』も重要である。

3.       『ヒューリスティックス』の考え方

・  『選択肢』の発見には「時間」と「費用」がかかる。そこで人間は『最適』でなっくとも『満足できる選択肢』を簡便に選んでしまう(⇒『ヒューリスティックス』と呼ぶ)。日本語では『近道』、『目の子算』、『親指の法則』などと訳されている。

・  『ヒューリスティックス』は、以下の3つが代表的なものである。

①  『代表的ヒューリスティックス』

判断するのに「倫理」や「確率」に従わず、どのくらい『典型的』かなどで選んでしまう。

②  『想起しやすさヒューリスティックス』

心に思い浮かびやすい『事象』に過大な評価を与える。

③  『係留(アンカー)ヒューリスティックス』

『初期情報』に依存し、出発点から目標点の間を十分に調整できない。

<参考>

●人間は誤りを犯したくて犯しているのではない。誤りを最小限にするには、時間も費用もかかるプロセスが存在する。それでも、誤りをゼロにすることはできない。創造的な設計をするには「多くの失敗」が必要である。

4.       『合理的選択』を難しくする『時間上の選択』

・  『時間上の選択』とは、“今の1万円と、1年後の1万円のどちらを選ぶか?”といった選択で、古来から経済学者ばかりでなく、哲学者、物理学者の頭を悩ませてきた。

・  最初に『時間上の選択』を論じたのは、スコットランドのジョン・レー(1796- 1872)で、資本の蓄積は以下の心理的要因で決まる、とした。

①      子孫に「資産」を残す

②      長期的視点から未来を見越した『自制心』

③      寿命の不確実性

④      いますぐ「消費」することの『切迫度』

・  20世紀初頭になって、アメリカの万能経済学者アーヴィング・フィッシャーが『フィッシャーの無差別曲線』を発表した。

▶『無差別曲線』

現在と将来の『消費の効用』が等しい曲線

▶(1+r)

『割引率』と呼ばれ、『利子』と同じである。ただし、『割引率』の考え、計算方法には多くの議論があり、統一的なものは現時点では無い。

<参考>

 『割引率』が小さいと、『現在消費』が多くなる。

<参考>

●『フレーミング効果』

人間の合理性は限定的であり、どの『選択肢』を選ぶかは『選択肢』の与えられ方による。

●『プロスペクト理論』の『価値関数』

 

                                  以上