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ミライカケイ

LFP研究会メンバーがライフプランを軸足に綴る研究日誌(旧ブログ→http://lfp.jugem.jp/)

3月定例会まとめ/ニュースの目(23)日米の株価は、すでに『バブル』か?

石川直子です。

「皆がうずうずしだした時ほど家計は慎重に行動しなければならない」

桜が満開の土曜日、先生のこんな言葉から定例会が始まりました。

 

日米の株価は、すでに『バブル』か?、というのが今回のテーマ。

「サクラ」は『偽客』と書いて「おとり」という意味にも使われますが、さて・・・。

 

                ★

 

『ニュースの目(23)』-日本経済新聞2月22日~3月18日朝・夕刊より抜粋-

◆日米の株価は、すでに『バブル』か?

  年初来ダウ工業30種と長期金利

    1/2 13,412ドル 1.83% ⇒ 3/14 14,539ドル 2.03%

     (注)3/5 史上最高値 3/14に16年ぶりに10日連騰

  年初来日経平均長期金利

    1/4 10,688円  0.835% ⇒ 3/15 12,560円 0.620%

 ☛ 日本の場合、株価が上げて、金利が下げている。中長期ではありえない現象。

   都市銀行が国債を売る一方で、信金・農協・生保などが買っていることが要因。

   しかし、このまま株価が上がると仮定するならば、いずれ金利は上がっていくはず。

   最終的には“個人=家計”に負担がかかってくる。

 <参考>

   『貿易赤字 8カ月連続』3/21(夕)

   『経常赤字 3か月連続 海外投資収益、圧縮のカギに』3/9(夕)

 

1)米国(夕刊 「ウォール街 ラウンドアップ」より)

  3/13『高値更新、日数数える市場』

   ・市場は楽観に覆われている。その一つの証拠が信用買い残で1月末には3,640億ドルと

    過去最高記録まで、あと5%に迫っている。ただし、同時に過熱を示すサインでもある。

   ・PERが14倍弱で、過去の平均値の15倍を下回っている。

  3/16『今度は「根拠ある熱狂」?』

   ・現在は17年前に似ている。株価上昇は3年余り続いた。

   ・株価が「バブル」でないとすると、90年代に匹敵する構造変化が起きている可能性がある。

    その一つは『シェール革命』である。

  <参考>3/22『株最高値に「公然の秘密」』

   ・バーナンキFRB議長「ダウは名目では最高値を更新したが、実質では違う」。

   ・クルーグマンプリンストン大教授「従業員から取って資本(株主)に回せば株価は

    上がるが、注意が必要」

  ☛ わずか3日で一転して「バブルではない」と強気に。

 

2)日本

  3/17『社債金利 1%割れ最多』

   ・2012年に発行した10年社債で、最多となる32銘柄が1%を割った。過去最高の03年度の

    21銘柄を上回る。

  3/18『国債市場、アベノミクスに悲鳴』風速計

   ・『アベノミクス』の副作用で、将来金利の急上昇懸念もくすぶり、機関投資家も先行き

    を懸念。

   ・日銀がどこまで金利をコントロールできるのか、新執行部は難題に直面することになり

    そうである。

 <参考>「ルポ個人投資家復活」

  3/20『上げ相場、夢中で回転売買』

   ・月間の取引回数が100回を超えるデイトレーダーの預かり資産は同社全体の預かり資産は

    全体の8%にすぎないが、売買では64%に達する、と松井証券信用取引が底上げ。

  3/22『投信、巧みに小口分散』

   ・ネット証券4社による投信イベントに来場者4600人。「日本株投信に300万円以上まとめて

    つぎ込んだが、含み損で身動きが取れなくなった」と参加者。

  3/23『株主に世代交代の芽』

   ・60歳以上に保有偏る。これまで株式投資に累計数千万円を投じた78歳投資家は「日経平均

    が14000円ぐらいまで戻ってやっと損益トントン」。

  ☛ 証券界の『倫理観』はどうか?具体的に家計はどうしたらよいだろうか?

    従来通りに考えていてはダメだが、確立されたセオリーがない。しかも、人間は経済学が

    前提にするような“合理的経済人”ではない。

 

3)トピックス

 ①『行動ファイナンス』のイロハ

1)『バブル』の定義

 ①資産価格が急騰し、その後突然に破裂して急落する経路をたどる様相。

   ⇒『動学経路』的な定義

 ②ある特定の時点において、資産価格のうち実態価格と乖離している部分。

 <参考>『バブル』の判断

絶対的な方法は見当たらないが、一般的には数カ月間に30~40%も上昇し、3年間に3倍に上昇するような状態

2)『行動ファイナンス』とは

・  人間の行動を主眼に置いた金融市場論。“人間は限定的にしか合理的に行動しない”ことを前提にしている。

3)人間の意思決定の過程と『アノマリー

①  意思決定前

a)情報の取得⇒ b)情報の選択⇒ c)情報の加工

②  情報加工後

a)意思決定が行われる

     ↓↓

b)『アノマリー』が発生する

<参考>『アノマリー』とは

その原因や理由が合理的に説明できない現象。「異常」「異例」「変則」「例外」等と訳される。

4)『情報』に関する人間の『アノマリー

・   人間は同時に『7つの情報』しか消化できないと言われる。その結果として、多くの『ヒューリスティック』が発生し、必ずしも適切な判断を下すとは限らなくなる。

<参考>『ヒューリスティック』とは

①  複雑なモノを単純化して考え、判断する⇒『単純化ヒューリスティック

②  迅速な判断のため情報を単純化する⇒『判断ヒューリスティック

5)代表的な『単純化ヒューリスティック

①  『単純化』・・・小さな違いを無視する

②  『心理勘定』・・・計数的でなく『心理的な勘定』を行なう

③  『利用可能性』・・・容易に入手できる情報を多く利用してしまう

④  『情報の無視』・・・情報を選択し部分的にしか認識しない

        ・・・自分に適しない情報や期待と全く異なる情報は意識的に無視する

        ・・・最初の情報がその後の情報解釈に影響してしまう

6)代表的な『判断ヒューリスティック

①  『アンカーリング』・・・最初の『参考値』に過大な比重をおいて判断する

②  『代表性』・・・多数の情報が類似している場合、その情報を過大に評価してしまう

<参考>『確率』の過大推計の危険

①  『連言の誤り』・・・2つの事象が同時に発生する『確率』は、各々が発生する『確率』よりも小さくなる

②  『ギャンブラーの誤り』・・・ルーレットが完全に正確だとすると、「赤」と「黒」の出る確率は等しいはずだが、「赤」が連続して出ると、次は「黒」が出ると考えてしまう

7)参考になる『プロスペクト理論』

 ・投資家による『利益』と『損失』の認識に関する理論(⇒『価値関数』)

 

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  <参考>

①『短期投資』が難しい理由

②みずほ総研真壁氏(当時)の唱える『バブル』への対処法(08/6/3日経)

a)  最初から『バブル』に乗らない

b)  早めに上昇相場に乗り、早めに降りる

 

 

②『行動ファイナンス』による『投資格言』

1)ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析に基づいて投資する場合は、多大な忍耐が必要とされる。この分析は将来の予測を含んだ二時点を予測するものであり、その過程を予測するものではない。だから、短期の投資目的にも合致しないものである。

2)テクニカル分析

基本的に以下の3つの前提に基づいている。

①  市場価格は、全ての利用可能な情報と人々の意見を含んでいる

②  この分析の主目的は、価格のトレンドを発見し利用することである

③  「歴史は繰り返す(=人間行動の一貫性)」を前提としている

この分析の問題点は、情報が多量に早く流れることにより、トレンドが短期化してしまい、利用者の比較優位性も劇的に小さくなってしまうことである。

3)一般的な『投資格言』

◎  投資に成功するには、投資を始める前に、何をもって成功とするかを明確にすること。ある一定の金額が目的か、特定の利回りか、投資そのものを楽しむことか、自分が正しいことを証明したいだけなのか。

 

◎  利益を最大化し損失を最小化するためには、他人の声に耳を傾けてはならない。他人は常に自分の成功体験しか話さない。どのように利益を上げるかを決めるのは、あなた自身しかない。

 

◎  仮に自分が状況をコントロールしていると確信していても、情報や分析に対して不注意になってはいけない。

 

◎  そうすることは難しいと感じた場合でも、自分のコミットメントに反する情報を探すこと。同時に、自分のオリジナルの意見に賛同する情報に疑問を持つこと。

 

◎  情報過多=破滅である。最も重要と思われる情報を選択し、それに集中して分析を加えることである。

 

◎  可能であれば、その市場に直接ポジションを有していないアナリストや証券会社にアドバイスを求めること。(ポジションを有する)彼等は、彼自身のポジションを正当化するような情報のみを提供する恐れがある。

 

◎  情報や推奨、秘密のアドバイスなどは、公表後しばらくは出回っていたものである。他の市場参加者はすでにポジションを作ってしまい、需給の実際の変化はもう期待できないかもしれないことに留意しなければならない。

 

◎  自分にとって利用しやすいニュースは、他人にとっても利用しやすいことを認識せよ。そういうニュースは、市場価格にすでに反映されている可能性が高い。

 

◎  市場や経済状況などについて、自分とは異なる意見を持つ人を探せ。

 

◎  耳に入ったニュースのすべてに反応してはならない。意思決定の基本となる大局に目を向けよ。

 

◎  頑固であってはならない。意見を同じくする市場参加者は同じポジションを持っている可能性が高く、似たようなフレームワークでしか物事を考えていない恐れが強い。

 

◎  単一のアンカー(参照値)に頼ってはならない。自分なりの意見を持つためには、数多くのアンカーがあることを常に意識せよ。特に楽観的な予測と、特に悲観的な予測をバランスして見ることが大切である。予測できないものも計算に入れよ。

 

◎  アナリストの予測レンジは過度に狭いことを忘れてはならない。より現実的な値を得るためには、過去のデータに基づく実際のレンジと比較せよ。

 

◎  「キリの良い数字」や「心理的水準」で注文を出してはならない。皆がこの水準に注目しており、トラブルに巻き込まれる可能性が高い。「成り行き注文」は最悪の価格で取引が成立することを覚悟すべし。

 

◎  情報は信じないという気持ちで行動せよ。それが間違っていることを証明するように努力せよ。

 

◎  10回以上推奨されている株は、1回しか推奨されていない株の10倍魅力的というわけではない。

 

◎  多くの市場参加者がカリスマ視する専門家を信用してはいけない。自分も他人と同じ船に乗ることになる。他のアナリストの意見や判断を求めることだ。

 

◎  個々の取引に入る前に、「ターゲット価格」と「ストップ・ロス」は必ず決めておくこと。『目標利益』は、リスクにさらせる額のおおむね3倍程度を目安とすること。「ストップ・ロス」は低すぎないこと。一息つくことも必要。

  (注)3倍程度は実践から得られたルールである。

 

◎  高い的中率は、必ずしも高い「利益」を意味しない。

 

◎  『目標利益』に到達する前に利益を確定したいという誘惑に駆られた時は、もし反対のポジションを取っていたらどう感じたかを想像してほしい。

 

◎  利益の上がらないポジションに無駄な時間を費やすな。資金がそこに釘付けになっていることを忘れてはならない。もし他で運用すれば、もっと利益を生み出すことができよう。

 

◎  一旦、損失を抱えたら、「ナンピン買い」でポジションを膨らませてはならない。平均購入価格を低下させることができても、ポジションの拡大とともにリスクも膨らむのである。

 

◎  調子が悪い時もストレスに耐えられるような、維持可能なポジションのサイズを選ぶこと。好調だからといってポジションのサイズを大きくしてはならない。たとえ難しくてもポジションのサイズは一定に保つこと。

 

◎  損失が続いた後にポジションを縮小すると、挽回には非常に長い時間がかかる事が経験的に示されている。この損失挽回というタスクは、困難でフラストレーションを感じさせるものである。

 

◎  外国証券のトレーディングに伴う「為替変動リスク」を過小評価してはならない。外国証券自体の取り扱いと同程度に注意深く気を配ること。

 

◎  ポジションを精算するか放置するか迷った時は、購入価格を意識しないこと。以前の取引の結果に基づいて意思決定をしてはならない。

 

◎  金融市場に友だちはいない。損失を認めたくない人間たちが、一時的に連帯するにすぎない。