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ミライカケイ

LFP研究会メンバーがライフプランを軸足に綴る研究日誌(旧ブログ→http://lfp.jugem.jp/)

2月定例会まとめ/ニュースの目(22)『アベノミクス』に対する証券市場の評価

石川直子です。

2月9日から三週にわたり、東村山市の消費生活講座を担当してまいりました。

30代から70代までと幅広い年齢の方々のご参加がありましたが、タイトルの『これからの家計と生活設計』についての考え方はどの年齢層でも同じです。

家計を取り巻く社会の激変を冷静に見つめること、その上で、家計・生活の『本質』を考えること。家計簿・節約・保険の見直し等々、家計の常識と思いこんでいるキーワードについて「本当にそうだろうか?」「そもそもどういうことだろうか」と一緒に考えていくことで、『生活経営』という視点で家計を捉えなおすきっかけにしていただけたのではないかと思います。

 

2月24日の定例会では、LFP研究会メンバー内でも「幸福とは?」「家族とは?」という“そもそも”を議論し合いました。

 

                  ★

 

『ニュースの目(22)』-日本経済新聞1月17日~2月21日朝・夕刊より抜粋-

◆『アベノミクス』に対する証券市場の評価

1)『円安・株高』楽観できるか(2/2 英フィナンシャル・タイムズ特約)

 ・市場は楽観的すぎる可能性がある 

     ⇒市場の心理の永続性はどうか?

 ・問題は製品の競争力低下にある

     ⇒根本は『教育』の間違い

2)『アベノミクス』成功のカギ(2/7 英フィナンシャル・タイムズ特約)

 ・日本の病の基本的な原因は「過剰な民間貯蓄」である。

 ・民間需要の弱さに焦点をあてた構造改革を実施すべき。具体的には・・・

  ①賃金引き上げ ②株主への分配増 ③企業税制の改正

     ⇒『一単位あたり利益』を上げるには?

     ⇒『イノベーション』と『知的レベルの向上』

 3)平成大相場への期待(2/14 大機小機)

 ・好需給の日本株には平成の大相場に発展する期待が高まっている。

 ・米国経済の回復の兆し、欧州債務不安の後退等、『運』も味方している。

4)『アベノミクス』の死角は(2/17 時論 ハーバード大学 フェルドシュタイン教授)

 ・日本経済の潜在的な問題は金利上昇だ。インフレ、円安、低金利を同時にすべて

  実現するのは極めてまれだ。

 ・通常、通貨安と物価上昇は長期金利の上昇(国債価格の下落)を招く。

5)トピックス

 ●『世帯収入』共働きで維持(2/20)

     ⇒基本的には望ましいが、女性の『二重労働』が問題に

     ⇒『家計の自立』とは?⇒キャッシュフローの黒字化

 <参考>①『現代の家族』

     ②『F.I.P.(経済自立計画)』を考えよう

 ●『ポジティブ心理学』(2/3)

 <参考>③『幸福な生活』とポジティブ心理学

      『幸福度』の自己チェック

 ●『富裕層』のパートナー育成(2/15 日本証券アナリスト協会

 <参考>『株』知らぬ営業マン(2/4 金融ニッポン)

      2013年度から『プライベートバンキング』の資格試験制度実施

 

<参考①>現代の『家族』-有斐閣ブック石川実 編『現代家族の社会学』より-

1)『家族』の基本

 ①『定義』

・唯一無二の定義は見当たらない。

・一般的には“夫婦・親子・兄弟等、少数の近親者を主要な成員とし、成員相互の深い感情的関わりで結ばれた『幸福(well-being)』追及の集団”

 ②『核家族』

・  一組の夫婦とその子供から成る「社会集団」で、『普遍的』に存在する最小の『親族集団』・・・1949年G.P.マードックの定義

・  『核家族』の概念は、現代社会ではゆらいでおり、「多様化」が進んでいる。

 ③『世帯』

・  行政上の呼称で、以下の分類がある。

a)  『親族世帯』…「世帯主」と親族関係にある『世帯員』で構成

b)  『非親族世帯』…『非親族関係』にある人だけで構成

c)  『単身世帯』…『単身者』が一人で構成

2)『家族』は多様性へ

 ◆『家族』のイメージの揺らぎ

        ★両親と一緒の安楽  ←--------→  ★逃れたくても逃れられない干渉の場

現代社会ではこの両方の間で揺らいでいるとともに、以下のような『家族』が出てきて多様化している。

a)  『夫婦関係』を結ばず、『親子関係』も前提としない家族

<参考>

・中米カリブ海沿岸地方では『女性家長家族』が多く、女性が結婚せずに子供を産むことは恥辱ではなく、一つの制度となっている。

・スウェーデンでは、1897年に『同棲法』で、同棲でも『結婚』と同様に『法的権利』が保証されている。

<参考>『婚外子』の出生率の国際比較

 スウェーデン(1990年)47.0%  デンマーク(1985年)43.5%

 アメリカ(1987年)24.5%    フランス(1985年)19.2%

 日本(1992年)1.1%

       b)『家族』が『親族の集団』であるということの崩壊

・    父母の「離婚」、「再婚」を通して拡大している⇒『ネットワーク』としての『家族』

c)  『ゲマインシャフト』から『ゲゼルシャフト』へ

・    『ゲマインシャフト』(感情的に融合し、親密な愛情をもとに運命共同体を形成)

・    『ゲゼルシャフト』(功利的・手段的で集う集団で、不断に集団内部に緊張状態が続く)

<参考>近世ヨーロッパで『家族』が『ゲマインシャフト化』した背景

①親子関係の特殊化・濃密化

・    女性が『生計の担い手』の一員から『家庭の中心』を占め、『妻=母』として『家庭の中心』として子供を産み守り育てることが使命となった。

<参考>18世紀までパリでは、新生児は乳母に育てられたり、里子に出されたりしていたが、19世紀になると女性は自分の「自由」を犠牲にし子育てに嬉々として従事するようになった・・・『母性愛』の本能的存在主張の根拠

②従来、婚姻は『生計』、『家計の維持』を第一義としていたが、産業資本主義の発達(経済的エゴから性的、情動的欲望を個人的に充足することを目指すようになった)により、夫婦間の『ロマンティック・ラブ』が重視されるようになった。

③『家族成員間』でも『プライバシー』、『独立性』が重視されだした。

<参考>『ジェンダー』と『女性』

・    男女間の『生物学的差異』ではなく、『文化的・社会的』に構成され規定された『性差』。

・    これにより、『女性の役割』が変わり、『女性=家庭』の図式が変化している。

・    とくに女性の長寿化があり、平均的にわが国では末子が『就学年齢』に達してから自分の死亡まで45年、『結婚』してからでも25年間ある。

3)『家族機能』の変化

 ◆近代工業発展以前の機能(唯一無二のものは無い)

①    生産単位としての『経済機能』

②    子供に基礎的・専門的な知識・技術を伝える『教育機能』

③    『家族メンバー』を、社会的に位置づける『地位付与機能』

④    『家族メンバー』の生命・財産を守る『保護機能』

⑤    日常的な「信仰活動」を通じ、『家族メンバー』の精神的安定と結束を計る『宗教機能』

⑥    『家族全体』の安らぎを計る『レクリエーション機能』

⑦    『家族メンバー同士』の『慈しみ』や『思いやり』といった『愛情機能』

        ↓↓

工業化の進展で機能縮小が進む・・・『家族機能縮小論』

        ↓↓

◆現代の機能

『愛情機能』以外は、社会の中の『専門機関』や『制度』に吸収されており、①性、②経済、③生殖、④教育の機能だけと指摘する専門家もいる。

<参考>『家族機能縮小』の影響

・    『家族機能の縮小』は、必ずしも『家族機能遂行上の負担軽減』を意味するものではなく、問題処理能力を持つ少数の『家族メンバー』に負担がかかってくる・・・『潜在的機能ストレス』を内包または顕在化

4)日本の『家族』の歴史と現在・未来

a)  歴史

・  伝統的に『家』を原型とし、独特の歴史と文化を保ってきた。とくに明治以降、『武士階級』をモデルとした『民法家族制度』(「家父長」が家族員に対する絶対的権威を持ち、支配と抑圧が構造化されていた)が一般化した。

・  ただし、17世紀以降、上述の『定位家族』より『生殖家族』に重点を置いた文学が喜ばれだした。

・  明治20年以降、“親への「孝」や「家督」を絶対視する『家族観念』に対する批判が活発になり、『家』から『家庭(ホーム)』が望まれ、『母性愛の神話』が形成された。

<参考>『ホーム』の概念

・    俸給で妻子を養うことのできる「職」を持つ『夫』と、生産労働から無縁に『家事と子育て』にいそしむ『妻』、誇るべき「家産」がないゆえに『教育と健康』に十分配慮される『子供』で構成

・    教育も明治30年代から女子高等教育は『良妻賢母』が中心となり、大正期には「主婦の友」などが女性たちに新しい『家庭型家族』における『妻』や『母』としての『心得』や『家庭技術』を普及させていった。

<参考>『母性愛神話』の形成

・    『母性』や『母性愛』は大正以降の短期間に使用された。『嫁』、『妻』としての務めが強調され(女大学)、『強い子』を育て『母』としての『母性』が称賛された。

・    1918年(大正7年)の「婦人公論」は『母性保護論争』で“母性が国家の礎であり、女性の最大の崇高な責務は子を産み育てること”と力説、このことが『男性』の「経済的扶養」以外の務めを免責する一助となった。

・    同時に『父子関係』を疎遠にしていった。

b)  『ホーム型家族』の普及と矛盾

・    1970年代前半には、日本の『専業率』は最大になった。こうして『近代的性別分業』は完成に近づいた。

・    しかし、『豊かな社会』の中で、『家庭維持のコスト』が高くなり、生活水準維持のためには『女性』の『労働収入』が『家計の補助』として不可欠になり、『女性』は再び「労働市場」へ参入することを余儀なくされてきている。

・    『女性の労働市場への参入」は、『女性』に『女性の二重労働』を強いることとなっていると同時に、それを要請する『男性』は『社会の敗北者』という見方も出てきている。

・    また、『性』に対する『伝統的規範』が揺らぎ、『生殖』に対する「医療技術」の発展と相俟って、『性-生殖-生産の生物学的連鎖』を『選択への連鎖』と転換させ、『離婚率の上昇、『家族の多様化』を招いている。

        ↓↓

    『集団』から『個』へ(『ライフサイクル』から『ライフコース』)

    『家族機能』の『社会化』、『専門化』

 

 

<参考②>F.I.P.の考え方とチェック方法 (K.Okuda)

1)F.I.P.が必要な背景

・   『金融広報中央委員会』の『家計の金融行動に関する世論調査(13年1月)』によると、『金融資産ゼロ世帯』が1987年頃から急増、2012年末には全世帯の約25%に達しているとしている。

・   その背景が収入の問題ばかりでないことも注目を要する。2009年の総務省『家計調査』によると、「世帯収入」が年間5百万円から7.5百万円の世帯でも、調査対象の5.3%が『貯蓄保有額』が1百万円未満としている。

・   こうした『家計』を対象に『ライフプラン』の作成を勧めても、実情に合致しないというべきであろう。

・   こうした『家計』がまず取り組むべきは『家計の自立』というべきであろう。『家計の自立』とは、日常の『家計支出』が『収入』でなんとか賄えるか、仮に不足しても、その返済のめどが十分ついていることを意味する。

・   健全な『家計』のスタートは、こうした『家計の自立』から始まり、『ライフプラン』につなげていき、『希望』に満ちた『家庭生活』に発展させていくことが望まれる。

2)F.I.P.(Finansial Independent Plan-経済自立計画)とは

●  現在、『経済自立』が難しい『家計』の場合、そこから脱する方法としては以下の3つが実行可能性の高いものと言えよう。

①  『支出を減らす』

ただし、この方法には長期に続いたり、期限を定めないと『ストレス』をためやすく、『家庭内不和』につながりやすい。何のための『支出削減』か、家族全員で十分に納得されているのと同時に、結果としてどのような『希望』につながるかを明確にしておくことが重要となろう。

②  『収入を増やす』

例えば、一時的な妻のパート労働などが一般的であろうが、ごく近い未来のわが国の『労働事情』を考えると、『キャリア・アップ』につながるように十二分の考慮が必要であろう。そうでないと、『妻の二重労働』を強制する結果になりかねない。

③  『一時的にファイナンスする』

『一時的ファイナンス』はもっとも安易な方法である。とくに『電子マネー』や『カード』の利用等は、大きな落とし穴に陥る可能性があることに十分に注意すべきであろう。そのためには、十二分の『返済計画』を先行させることが重要である。

<参考>企業が倒産に追い込まれるのは『利益』が出ないからではなく、『現金』が回らなくなるためである。

3)F.I.P.の作成の必要性

●  『家計』が『経済的自立』を確立するには、以下の2つが重要である。

①  『現状の把握』はすべてのスタートだが・・・

これを行なうのが『家計簿』だが、現在、一般的なものはあまりにも複雑で、継続的実行が難しく、仮に実行できたとしても、それを将来のためにどのように活用するかが必ずしも明確でない。

②  『F.I.P.』の作成

『家計の現状把握』を意味あるものにしようとするのが『F.I.P.』である。そして、この『F.I.P.』は、その次の『ライフプラン』につながるものである。

4)『F.I.P.』の作成と『チェック・ポイント』

a)  作成

・   『収支合計』までは、キャッシュ・ベース(現金支払いベース)で把握する。

・   『社会保険料』や各種『税金』が『収入ベース』で控除されていない場合は、『基本生活費』の『その他』に『勘定科目』を設け、計上する。

・   『計上単位』及び『勘定科目』は、作成者が便利で利用しやすいように自由に変更して良い。『厳密さ』より『実行可能性』と作成者にとっての『分かり易さ』が何よりも大切である。

b)  チェック・ポイント

・   『収支合計』のバランス。すべてのスタートは、この『黒字化』にある。

・   『借入累計額』の変動(増加傾向なのか?、一時的増加なのか?)、及び『不足額調達法のチェック(返済の時間的問題と、調達先の社会的信用度)』が重要である。

・   『返済計画』は『金額的、時間的に実行可能性の高いもの』でなければならない。

 

 

<参考③>『幸福な生活』とポジティブ心理学

1)2013年2月3日:日本経済新聞『今を読み解く』

・   人間はネガティブな情報に興味を引かれる。特に、日本人は『謙虚』でこの性向が強い。

・   20世紀に入って『好奇心』や『友情』などのポジティブな心理機能の研究が進められてきたが、その中心が『ポジティブ心理学』である。

・   『謙虚さ』は必ずしも自分の『幸福感』につながらないが、周囲を『幸福』にし『社会の安全性』を支えている可能性がある。

・   今後は『謙虚かつ積極性』が求められる。

<参考>『ポジティブ・シンキング』

『ポジティブ心理学』とは異なり、アメリカで行われている『自己啓発』の考え方で、“何事もポジティブに捉えることで、競争に勝ち成功できる”と主張する。

2)ポジティブ心理学と『幸福な生活』

・   『幸福感』が『幸福(well-being)』に対し、実に著しい長期的影響を及ぼしており、アメリカの研究では平均10年長生きしている、としている。

・   『幸福』とは“つかの間の快楽”と異なり、一過性の『気持ち』を超えて広義の概念である。

・   アリストテレスは“真の『幸福』とは『自分の美徳』を見つけ、それを育み、その『美徳』に従って生きること”としている。

☞人間は、自分における最高のものを開拓すべきで、その上で人類の大きな『善』に奉仕するため、自分の『スキル』や『才能』を使うべき

3)『幸福』の研究の現状

・   これまでの研究で、一貫性のある発見とは、頑強な『幸福の決定因子』とは・・・

①    社会的または対人的因子・・・たくさんの友人、結婚、外向性、感謝など

②    ポジティブな特徴が自分自身に起因していると考える人

③    人は『基本的な欲求』を満たさなければならないが、それ以上の収入はさほど大きな問題とはならないと考えられる人

             ↓ ↓ ↓

人間は大多数の人が、予想以上に幸せである