1月定例会まとめ/ニュースの目(21)
石川直子です。
モスクワに4年間滞在していたメンバーが帰国し、定例会に復帰しました。
昔はロシアと云えば、手紙のやり取りもままならない、遠い遠い外国というイメージでしたが(個人的感想です^^)、今はメールやSNSで即座にやり取りを交わしたり、お互いの様子を画像や映像で確認することができるので、遠く遠く離れているということを忘れてしまうほどです。
今回のトピックスでも取り上げられましたが、『IT革命』により時間と空間が短縮されたこと、個人が情報の発信者となったことは、私たちの生活を大きく変えてしまいました。便利で良いことがたくさんある一方で、従来の常識にとらわれていたのでは人生の選択を誤ってしまう問題も出てきてしまいました。私たちの家計に及ぼす影響はとても大きく、常に頭に置いておかなければならないテーマです。
モスクワでこのブログを読み、講師として復帰する気持ちをつないでくれていたメンバーを心強く思うとともに、face to faceでの再会、言葉のやり取りは何にも代えがたいほどの喜びであることを実感した1日でした。
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『ニュースの目(21)』-日本経済新聞12月8日~1月16日朝・夕刊より抜粋-
◆『株価高』と『円安』は景気回復のシグナルか?
1)『株価』と『円安』の動向
日経平均株価(1/15) 1万937円 (2年8カ月ぶりの高値)
円/ドル (1/10) 1ドル89円(2年ぶりの円安)
円/ユーロ (1/10) 1ユーロ116円台(1年半ぶりの円安)
2)安倍政権の経済政策と政府・日銀が描く『デフレ脱却』のイメージ
■安倍政権の経済政策は3本柱
『金融政策』
・政府・日銀の政策協定(アコード)
・官民で外債を購入するファンド構想
『財政政策』
・大規模な今年度補正予算案の編成
・来年度予算編成の前倒し(15カ月予算)
『成長戦略』
・6月をメドに成長戦略を策定
・新設した日本経済再生本部の下に民間有識者が入る産業競争力会議を設置
3)『金融政策』
■『物価目標2%』明記、共同文書で(1/11)
・日銀が“大胆な金融緩和を継続する”と同時に、『物価上昇率目標のメド』と
して『2%』を政府との「共同文書」に明記、達成できない場合は日銀総裁
に『経済財政諮問会議』での説明責任を課す予定。
(注)白川日銀総裁の任期は4月8日
4)『財政政策』
■『緊急経済対策』と『2012年度補正予算』
・『緊急経済対策』ではGDP2%上げ、雇用60万人増が目標(1/11夕)
①民間投資の喚起・・・研究開発税制の拡充 等
②復興・防災・・・トンネルや橋などの老朽化対策 等
③雇用・企業支援・金融・・・失業中の若者を雇用した企業に15万円助成 等
④暮らしの安心・地域活性化・・・70~74歳の医療費窓口負担を1割に 等
・『12年度補正予算案』閣議決定(1/15夕)
『緊急経済対策10.3兆円』を含め『13.1兆円』、起業支援が柱
(単位:兆円) |
||
『経済対策の概要』(1/11) |
国の |
事業規模 |
防災・減災対策 |
2.2 |
3.8 |
復興予算 |
1.6 |
1.7 |
成長による富の創出 (省エネ、起業支援など) |
2.7 |
12.3 |
0.4(※1) |
─ |
|
暮らしの安心・地域活性化(交通安全、農林水産業の基盤整備など) |
1.7 |
2.1 |
1.4(※2) |
─ |
|
公共事業等の国庫債務負担行為 |
0.3 |
0.3 |
合 計 |
10.3 |
20.2 |
(注)※1=財政融資資金の支出等 ※2=地方向け交付金 |
『景気底上げ』へ大盤振る舞い(1/16)
・国債増発5.2兆円、今年度の新発債発行額は50兆円規模に
5)『成長戦略』
■『日本経済再生本部』による成長戦略(1/7)
・昨年12月26日に新設
・基本的な戦略は以下の3つ
①『産業再興』・・・エネルギー、環境、医療等の成長分野の規制改革 等
②『国際展開』・・・中小企業の海外展開の後押し 等
③『市場創出』・・・社会構造の変化による市場拡大期待がある分野の重点育成
(注)『教育改革』については『教育再生実行会議』で成案を作成予定
6)『アベノミクス』に対する「識者」の見方
■『創論』(1/13)
・米ピーターソン国際経済研究所所長 アダム・ポーゼン氏
「金融緩和要請」は正しいが、現時点では財政出動は支持しない。日本の問題は
「需要不足」より「金融政策」や「為替相場」にある。
・BNPパリバ証券チーフエコノミスト 河野龍太郎氏
景気刺激息切れ懸念
■「FT」英フィナンシャル・タイムズ:進む「アベノミクス相場」
・大幅円安期待に危うさ
・世界経済が低迷を続ける限り、日本でのみ「インフレ期待」が大きく高まる可能性は低い
7)トピックス
■2013年の相場カレンダー
■『IT革命』と産業・家計
■「ケインズ」か「ハイエク」か:資本主義を動かした世紀の対決
(ニコラス・ワプショット著 新潮社)
以上