石川直子です。
今回より、はてなブログに引っ越しをしました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
またまた遅くなりましたが、11月定例会の内容をまとめました。
改正労働契約法の施行を前に、家計に及ぼす影響と対策について考えました。
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『ニュースの目(20)』-日本経済新聞10月26日~11月7日朝・夕刊から抜粋-
◆『改正労働契約法』が2012年8月に公布、来年4月施行に
1)共働き世帯 主流に(10/22)
・今年1~6月の「共働き世帯」は、総世帯(単身世帯除く)の55.3%と過去最高を更新
・うち、妻の「就業時間」が週35時間未満の割合は57.2%に上昇
・夫の収入減を妻のパート労働で補う姿が常態に
・「厚生年金」を適用されるのは、週30時間働く人だけで、パートの50%強は対象外
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『社会保障制度』は時流に合わなくなった
2)パート待遇改善へ道 改正法、勤続5年で無期限雇用(8/4)
・パート労働者の待遇改善が目玉だが・・・
【改正労働契約法のポイント】
・5年超勤務したパート・契約社員は申し出れば、期限を定めない雇用に
・契約更新を繰り返したパート・契約社員への企業の雇い止めを禁止
・契約期間の有無にかかわらず、待遇に不合理な格差を設けない
・これまで短期労働の繰り返し更新による長期間労働については具体的ルールが無かった
・今回の改正では5年超勤務したパート・契約社員は、申し出により正社員にも。
・『高齢者雇用安定法』の改正(来年4月施行)と併せて、『年功序列賃金制度』
から『能力給』に変更か
<参考>『有期労働者』のための現行『労働契約法』のイロハ
1)構成と法の目的
・『労働基準法』の第二章を占め、労働者と使用者の『権利・義務関係』を明確にする
のが目的で、以下の基本的考え方が流れている。
①労働自治の尊重と『実質的対等性』の確保
②『労働契約』における公平性の確保
③紛争の予防と紛争が発生した場合への対応
④就業形態の多様化に対する対応
(注)『労働契約』の違反
・労働者は即時に『労働契約』の解除ができる
・使用者は30万円以下の罰金(労働基準法の規定)
『労働基準法第15条』
・使用者は労働者を採用する際、個々の労働者ごとに個別に賃金・業務内容など
の『労働条件』を明示し、『労働契約』を結ばなくてはならない。
2)『労働契約』の成立
・採用後ではなく『働き始めた日』で、使用者が『採用内定通知書』を送り、『採用
内定者』が「誓約書」を提出した時点
3)『採用内定』の取り消し
・経営状態が著しく悪化したと判断される場合で、『採用内定通知書』に『留保解約
事由』が明示されている場合
(注)『試用期間』とは
・この期間は『解約留保特約付』の契約となる
・但し、継続して14日以上労働した場合は『解約予告』や『解約予告手当』の
支払いが必要
4)『労働契約』で書面により明示されるべき事項
①『労働契約』の期間に関する事項
②就労場所、従事すべき業務に関する事項
③始業・終業の時刻、残業の有無、休憩時間、休日・休暇に関する事項
④賃金の計算方法、支払いの時期、昇給に関する事項
⑤退職に関する事項
(注)『就業規則』で明示すべき事項
・『絶対的必要記載事項(3項目)』と『相対的必要記載事項(8項目)』がある。
『就業規則』は原則として『労働者の合意』無しに変更できない。
5)『労働契約』の終了
・『退職』と『解雇(普通解雇、懲戒解雇、整理解雇)』がある。
6)『有期労働契約』の『解雇』と『雇止め』
・『労働契約法17条』
使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合で
なければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することが
できない。
・『有期労働契約』の『締結』、『更新』、『雇止め』に関する基準
①有期労働契約の締結に関しては、期間満了後の契約更新の有無を明示する
②契約を更新することがある旨を明示するときは、更新する場合、または更新しな
い場合の判断基準を明示する
③ ①②を変更する場合は、速やかにその内容を明示する
④1年を超えて継続勤務している労働者の契約を更新しないことにする場合には、
期間満了の30日前までに、その予告をする(契約更新をしないことが明示されて
いる労働者を除く)
⑤ ④の場合に、労働者が更新しないことの理由(更新しなかった場合は更新しなか
った理由)の証明書を求めた場合は、これを交付する
⑥契約を1回以上更新し、1年以上継続勤務している労働者の有期契約を更新する
場合は、契約の実態や労働者の希望に応じて、契約期間をできるだけ長くするように努める
(注)原則として、『労働契約』を更新しない場合は30日前までに『雇止め』の予告が必要。
『有期労働契約』を何回以上更新すれば「正社員」と同等に取り扱うかの規定は、
今回の改正で法文化された。
◆トピックス
l 『労働契約法』の基礎知識は国民の不可欠の知識
☛すでに、夫婦ともども『勉強』しなければならない時代に入っている。家庭の主婦も
『労働者』として自立を求められており、『能力競争』の中に入っていかざるをえない。
しかし、いわゆる「通信資格講座」のレベルでは通用しない⇒『生き方』の選択につながってくる
<参考>労働契約の期間
期間の定めのない契約
期間の定めのある契約
原則:3年を超える期間について締結してはならない
↓
例外:①一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約
②認定職業訓練を受ける労働者との労働契約
③次のいずれかの労働契約(上限は5年)
・高度の専門知識等を有する労働者(当該高度の専門知識等を
必要とする業務に就く者に限る)との労働契約
・満60歳以上の労働者との労働契約
<参考>『厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者』とは?
①博士の学位(外国において授与されたこれに該当する学位を含む)を有する者
②次のいずれかの資格を有する者
ア 公認会計士 キ 税理士
イ 医師 ク 薬剤師
ウ 歯科医師 ケ 社会保険労務士
エ 獣医師 コ 不動産鑑定士
オ 弁護士 サ 技術士
カ 一級建築士 シ 弁理士
③次のいずれかの能力評価試験の合格者
ア システムアナリスト資格試験合格者
イ アクチュアリーに関する資格試験合格者
④次のいずれかに該当する者
ア 特許法上の特許発明の発明者
イ 意匠法上の登録意匠の創作者
ウ 種苗法上の登録品種の育成者
⑤‐(1)一定の学歴及び実務経験(注)を有する次の者で年収が 1,075 万円以上の者
ア 農林水産業の技術者 エ 土木・建築技術者
イ 鉱工業の技術者 オ システムエンジニア
ウ 機械・電気技術者 カ デザイナー
(注)学歴及び実務経験の要件
学歴 実務経験
大学卒 5年以上
短大・高専卒 6年以上
高卒 7年以上
※学歴の要件については、就こうとする業務に関する学科を修めて卒業する
ことが必要
⑤‐(2)システムエンジニアとして5年以上の実務経験を有するシステムコンサルタント
で、年収が 1,075 万円以上の者
⑥国等によりその有する知識、技術、経験が優れたものであると認定されている者
以上